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日ノ出町 大衆酒場「お秀」

居酒屋探偵DAITENの生活 第81回   2008年3月6日(木)【地域別】  【時間順】



日ノ出町 大衆酒場「お秀」

  日ノ出町お秀外観

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 yousaku氏と二人、「第一亭」を出た後に向かったのは、すぐそばの大衆酒場「お秀」である。お秀の場所は日ノ出町駅からすぐ目の前の大きなX型交差点、日ノ出町一丁目交差点を西側から東側に渡ってすぐの一画にある。交差点を渡り、桜木町や野毛方面に向かって歩き出し、最初の路地を右に入ってすぐ「大衆酒場お秀」と書かれた看板を発見できる。

 店の前までゆくと、「準備中」の小さな札がかかっている。しかし、中からは人の声がたくさん聞こえてくる。誰かのいたずらか、ただ単にお店の方が忘れたのか、すぐに表に返して中に入った。ちゃんと営業をしている。
 左手には、5、6人が座れるカウンター、中は調理場になっている。右手には4人掛けのテーブルが3つ。カウンター席に2人分の席が空いていた。右手奥の4人席もあいていたが、この店は繁盛店であり混むことも多いので、おとなしくカウンター席に座ることにした。カウンターの中では、年配の女性が料理をしている。厨房と客席を二人の女性が行き来して活発に立ち働く。
 
 すでに生ビールを飲んでいるので、お酒にする。お酒を飲みたいと言うと、肌の色つやの良い女性が微笑みながら、「あまり種類はないんですが・・・」と言い、7種類ほど書かれた今日の酒のメニューを持ってきてくれる。
 そして、三つのくぼみのある皿のくぼみに一点づつのつまみが乗った「突き出し」が厨房の中から出される。まさに語源通り突き出されたのである。笑顔とやさしい言葉付の実に上品な「突き出し」であった。
 こちらの「お秀」の良い点は、グラス一杯480円という安い価格で良い酒を色々と飲めることだろう。開運無濾過純米(480円)を2杯注文する。受け皿の上にグラスが置かれ、一升瓶のラベルを見せてくれた後、お酒が静かに注がれる。純米酒はうまい、やはり自分の身体には純米酒が合うとつくづくと思う。
 
 左耳でyousaku氏の話を聞きながら、右耳では周囲の方々の話を聞いている。右隣は、帽子をかぶりサングラスをして、派手なジャケットを着た男性客である。髪は白髪であるのだが声は若い。年齢不詳である。静かにキープされた焼酎を飲んでいる。品の良い話ぶりで競馬の話をされる。「当たり馬券についてママに見識を伺いたい」などとおっしゃる。面白い。背後には外国人の男性客二人が座っている。ママと呼ばれた女性と、流ちょうな日本語で他のお客さんの噂などしている。
 次々に入ってくるお客さんたちも何となく品がある。「大衆酒場」という看板、日ノ出町という場所柄、そのイメージとはまったく違う雰囲気の客筋であった。

 2杯目は、にごり系の酒が呑みたくなった。
 実は、先日、川崎の地酒専門店「地酒や たけくま酒店」さんで、高知の濱乃鶴酒造の酒「美丈夫 吟醸 うすにごり(微発砲)」を購入、SAKURA、俳優であり、SAKURAの演出助手である創間元哉、私の母である可久鼓桃と4人で一緒に呑んだのである。その酒のうまさには本当に感動した。
 日本人は祝宴で、西洋のシャンパンなど呑まず、「美丈夫 吟醸 うすにごり(微発砲)」のような酒を呑めば良いのではないだろうかと思う。そのように華やかな酒であった。

 2杯目に選んだのは、秋田の沼舘酒造のたてのい純米おりからみ(480円)である。
 「うすにごり」「おりがらみ」系の酒を呑むと、横浜市の保土ヶ谷に住んでいた頃に開いた花見の宴を思い出す。我が家の前の坂に咲く桜の花にライトアップをして、YOUSAKU氏をはじめ、多くの皆さんと夜桜を楽しんだのである。その時、地元の酒店の店主であり、ビデオ制作会社社長のH氏が福島の酒「自然郷うすにごり」を持ってきてくれた。他にもうまい酒を皆さんが持ち寄ってくださり、ほんとうに楽しい宴となった。

 ぶり照り焼き(520円)を注文する。もつ煮(380円)もお願いしたが品切れであった。残念である。やがてやって来た「ぶり照り焼き」は、柔らかくとてもおいしかった。御飯が欲しいと思った。御飯が食べたくなる肴は、純米酒に合うという。それが真実であることを確認する。

 お勘定をお願いすると、「以前にお会いしたことありますよね」と女性に言われた。私はよく「前に会ったことがありますよね」と言われる。「誰かに似ていると良く言われるんです」と言って外に出た。以前から来てみたいと思っていた店は、やはり良い店であった。YOUSAKU氏もお気に召したようである。
 午後8時から9時までの約1時間の滞在。二人で3,820円であった。

 ※この後、大岡川を渡り、長者町まで行き、濱也耕誠氏あるお店で待ち合わせをした。yousaku氏と三人で楽しい時を過ごした。なかなかに特徴的な美点もあり、素晴らしいことに完全禁煙で、食べるものもおいしく良い店ではあった。しかし、〈大衆酒場〉を紹介することを目的としているこのブログ「居酒屋探偵DAITENの生活」で紹介するには、やはり高級店に入る店であり、今回は紹介はしなかった。


日ノ出町お秀看板

日ノ出町 大衆酒場「お秀」
住所 神奈川県横浜市中区日の出町1-15
電話 045-231-4541
定休日 土日祝日
営業時間 18:00~24:00
交通 京浜急行日ノ出町駅より徒歩2分
http://plaza.rakuten.co.jp/nogeohide/



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら


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コメント

居酒屋探偵DAITEN

次回は野毛に
すみません。次の回の冒頭でも書いた通り、
ちょっと採用基準がありまして・・・。
次回は野毛の大衆酒場に御一緒いたしましょう。

濱也耕誠

こちらの続編
こちらの続編の方も読みたかったってゆーかんじー です。
非公開コメント

新岳大典

新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。
http://izakaya.daitenkan.jp/
2018.1より上記のURLとなりました。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。
2011.7よりfacebook参加
https://www.facebook.com/daiten.aratake/
2019.10よりnoteにエッセイや小説など執筆開始。


劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。

演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」
劇集団咲良舎公式サイト
かたびら・スペース・しばた。公式サイト
かたびら・スペース・しばた。公式フェイスブックページ
ブログ「人間日和」
ブログ「楕円生活の方法」
等を運用中。

2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。

 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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