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西小山 やきとん道場・三鶴 第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第83回   2008年3月12日(水) 【地域別】  【時間順】


※2008年6月に近くの新店舗へ移転。


西小山 やきとん道場・三鶴  第2回

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 今日は居酒屋の宝庫である武蔵小山の駅近くをしばらく歩いた。駅近くの有名なもつ焼き店はすでに満席で、カウンター席の背後、入口の左右に用意された6、7人分の待機用の席もほぼ満席であった。噂によれば、酒場でのマナーを知らない客がモツ焼きも食べずにおしゃべりをして長居するようなケースが多いらしい。このように背後で待たれた状態で長々と呑めるほど図太い神経を私はもたない。
 しばらく、武蔵小山周辺を歩いて様々な居酒屋を発見する。それから西小山駅を目指して歩くことにした。

 東急目黒線の地下化に伴い、沿線の駅とその周辺地域は様変わりしている。目黒駅から一つ目の駅、不動前駅はすでに工事を終えているが武蔵小山駅と西小山駅は駅前再開発工事がまだ続いている。武蔵小山駅には補助二十六号線から入ることの出来る大きなロータリーが出来る。同じように、次の西小山駅の東側も駅前ロータリーの工事中である。

 街を彷徨ううちに足が向いてしまったのは、西小山駅の西側の地域に残された古い店構えのもつ焼き店「やきとん道場・三鶴」であった。
 「やきとん道場・三鶴」を紹介した第1回の記事は昨年の11月である。駅の西側にあるはずの居酒屋「八十八」の赤提灯を駅の東側の地域で見つけ不審に思い、急いで店の場所を確認に行ってみると、その一角が大きな更地になっていた。再開発されてしまい、店が移転したのであった。

 その更地はさらに拡大していた。そして、その土地に面したT字路当たりに「やきとん道場・三鶴」がある。
 店を正面から見ると、左端と右端にそれぞれ入口がある。自転車を止め男性客が一人中に入って行くところだった。右側の入口から中をのぞくと、その男性客はコの字カウンターの右側に座っている。左側の「常連席」に、もう一人男性が座っているだけで他に客はいない。中に入り、カウンターの手前中央、焼き台近くに座る。
 武闘派系の雰囲気を漂わせるマスターが「何します?」と聞いてくれる。 「ホッピー」と即答する。この店では、ホッピー(400円)に「氷無し」などという無粋な言葉を付け加える必要がない。氷など最初から無いのである。ホッピーを作る様子を見ていると、焼酎の量は下から2番目の星印であり、濃いめである。
 ホッピーが出てきた。今日もうまい。一緒に「玉葱のしょうゆ漬け」が出てくる。それを楊枝を使って食べるのである。焼き物は「なんこつ、かしら」をお願いする。各1本110円を1本ずつ焼いてくれる。

 焼き物はじっくりと焼いてくれる。強い火力で一期に焼いて、焦がしてしまうようなことはない。ホッピーはすぐに無くなってしまい。空のホッピージョッキを前に考え事をしていると、マスターが「ホッピー?」と聞いてくれる。「お願いします」と答える。煮込み(300円)も注文する。
 
 しばらくすると、常連の皆さんが集まってきた。先ほどの方の隣に座り、会話が始まる。マスターが焼き代の焼き物を見ながら常連の皆さんと楽しそうに話している。
 さらに、御夫婦らしき若いカップルもやってきた。
 男性の方が「場所、決まった?」とマスターに聞いている。マスターがニコニコしながら、背後に貼られた紙を示して、「ここだよ」と言う。よく見ると、それは手書きの地図であった。
 地図は西小山駅周辺の略図であり、この店の場所に四角い印が書かれ、もう一つの「新店舗」と文字が添えられた四角には斜線が引かれている。
 地図には「四月下旬から五月」とある。移転の時期に違いない。

 やはり、居酒屋「八十八」に続き、この「三鶴」も移転することになったのである。この味わいのある店が無くなるのだ。予想はしていたがことの成り行きに少し驚いた。
 しかし、マスターも常連客の皆さんも元気である。私のように時々しかやってこない余所者が、勝手なノスタルジーで店が無くなることを悲しむのは、本当は間違っているのかもしれない。
 店を移転することへの様々な思いはあるに違いない。しかし、ここには生活がある。私たちに出来ることは、新しい店に期待することのみである。
 さきほどの御夫婦には子供が生まれるようである。奥さんがウーロン茶を飲んでいる理由が解った。子供が生まれる。そして、この店も移転をして新しく生まれ変わる。一つの時代が終わり、新しい時代がやってくる。

 約40分の滞在で1320円。味わい深い一時であった。


西小山三鶴看板

西小山「やきとん道場・三鶴(みつる)」
住所 東京都目黒区原町1-7-8
電話 03-3716-0008
定休日 日曜祝日休
営業時間 平日17:00~22:00
交通 東急目黒線西小山駅下車徒歩1分


※2008年6月に近くの新店舗へ移転。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら


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新岳大典

新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。
http://izakaya.daitenkan.jp/
2018.1より上記のURLとなりました。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。
2011.7よりfacebook参加
https://www.facebook.com/daiten.aratake/

劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。

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等を運用中。

2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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