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中延 やきとり「忠弥」

居酒屋探偵DAITENの生活 第87回  2008年4月3日(木) 【地域別】  【時間順】



中延 やきとり「忠弥」

   中延やきとり「忠弥」外観    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 久しぶりにASIMO君を誘い、東急大井町線「中延」駅前で待ち合わせである。大井町線の「中延」駅の改札を出ると目の前は商店街である。右方面に30メートルほど歩くと都営浅草線の「中延駅」への降り口がある。逆の左方面に50メートルほど歩くと、「中延スキップロード」という屋根付きの商店街の入口と出会う。どちらにも行かず、目の前にある路地に入ってゆくと、すぐ左手に今日の目的の店、やきとり「忠弥」がある。
 路地の入口角にタレントのデビット伊藤が経営するラーメン店「でびっと」がある。その前でASIMO君は待っていてくれた。

 午後6時20分である。入口の戸が開け放たれ、中が良く見える。右側手前に横一列8席位、入口から奥にかけて縦一列に10席位、その奥に横一列に6席といった構成の大きなコの字カウンターである。全体で30席以上ある。テーブル席は無い。コの字カウンターの中は広い調理場スペース。縦一列の真ん中に焼き台がある。その背後に調理台があり、その前の高い場所に、白札に黒い文字で「はつ」「タタキ」等と書かれたメニューの札が掛かっている。その札を裏返すと、「はつ 売切れ」と変わるのである。売り切れの文字は赤文字となる。何が残っているか解るようになっている。

 いつも混んでいるという評判であったが、まだ、7、8名のお客さんが疎らに座っているだけであった。
 さっそく、瓶ビール大(700円)を注文する。突き出しはキャベツの浅漬けである。ビールはエビス黒小瓶(550円)もある。
 さて、焼き物の注文である。この店の食べ物の注文の仕方は独特である。小さなクリップボードにメモ用紙がはさまれたものが渡される。テーブルの上の鉛筆立てに立てられている鉛筆を手に取り、注文したい焼き物を記入するのである。口での注文は受け付けてもらえない。 頼みたい品物、本数、焼き方(塩かタレか)を記入するのである。今回は下記のように記入した。
 「はつ×2 塩、タタキ×2 塩、ハラミ×2 塩、ぺてん×2 塩、煮込み×2」である。
 価格はそれぞれ、はつ(140円)、タタキ(150円)、ハラミ(600円)、ぺてん(140円)、煮込み(450円)である。

 ビールはキリンラガーである。ビールを飲みながら、意外にすんなり店に入れたことを不思議がっていると、すぐ近くの空席に常連らしき男性客が座った。
 「今日は一人?」と店の人が聞くと、その男性は「友達と一緒、8人」と言う。これから7人の団体がやって来るのである。入口近くのカウンターもサラリーマンらしき人たちが次々に現れ、席が埋まってゆく。大丈夫なのだろうか。

 煮込みがすぐにやってきた。あっさりとした塩味ベースの煮込みである。これがうまい。
 はつ、ぺてん、ハラミがやってきた。実に素早い。そしてうまい。
 「ここは焼き物が早いですね」とASIMO君。
 「火力を強くしてあるのだろうね」と答えながら、旗の台の「おっちゃんの店市蔵」の親父さんが一本ずつ遠火でじっくり焼いていたことを思い出す。大量のお客さんを相手にするか、少しの常連を相手にするかで、これだけ違うのである。
 さらに、やってきたのはタタキである。骨も含めて叩いたつくねのようである。私としてはこのタタキが一番うまいと感じた。
 このタタキを持ってきてくれたところを狙って、カクテル(350円)を2杯お願いする。
 「カク2丁!」と親父さんが注文を通す。カクテルを「カク」と呼ぶのである。
 この店にはビール、日本酒、そして、カクテルという独特な飲み物しかないのである。

 「このお店の人たち、なんだかみんな丁寧ですね」とASIMO君が言う。私も同意した。丁寧にやさしく対応してくれるのである。ネット状での接客態度に関する悪評が嘘のようである。その後、何かあったのであろうか。

 やがて、7人の団体がやってきた。合流して8名である。私たちが移動して出来た場所にお互い身を寄せるようにして座る。どうやら、中の数人は日系人の方々のようで、顔は日本人だが英語が飛び交い始めた。
 飲み物はカクテルを8個、全員分を注文する。食べ物は先乗りしていた常連の男性がすでに頼んであった。
 日系人の方が「スペシャルドリンク?」と常連に聞く。そして、中身は何かと聞いている。聞かれた方は「シークレット」と答える。笑いが起こる。
 実は秘密でもなんでもない。作っているところが良く見えるのである。氷の入ったグラスに焼酎を入れ、ウィルキンソンのジンジャーエールとキリンビールを適当に入れるだけである。
ASIMO君が「このカクテル、けっこう飲めますね」と言う。ピリッとしたショウガがきいていて、意外にうまいのである。自分でもやってみようかとも思う。しかし、サワーやホッピーのように何杯も飲む気持ちにはなれない。やはり、ホッピーが飲みたいと思う。

 6時40分。店内は満席となっていた。外には列が出来ている。
 「あと、10分遅かったらすぐに入れませんでしたね」とASIMO君。
 これは席を空けるべきである。次へ行こうという私の提案にASIMO君も賛同。お勘定をお願いする。4,360円であった。約20分の滞在時間。支払いを済ませ、立ち上がる。二人分の席が出来る。団体の人が少し動こうとした。すると、女将さんに「そのまま、動かないでください、ここにお二人入りますから」と言われる。仕方なさそうに元に戻ったのである。

 表に並んでいる人たちがいる。空いた場所にすぐに人を入れなければならない。ここでピンと来たのである。ネット上で書かれていた接客に対する不評は、この辺に原因があるのかもしれない。つまり、はっきりしているのである。三時間という短い営業時間で大量の客を次々にさばいてゆく。メモに注文を書かせるのも、間違いなく素早い処理をするための結果なのである。

 この店で落ち着いて酒を飲もうとしてはいけないのである。瓶ビール700円である、ハラミは1本600円である。カクテルは量的に少ないので1杯がすぐ無くなってしまう。この店でじっくり飲んで食べてしまったら、そうとうな金額になるであろう。やはり、うまい肉を少し食べて15分から30分で席を譲る方が身のためである。


中延 やきとり「忠弥」
住所 東京都品川区東中延2-10-9
電話 03-3783-2257
定休日 土日祝日休
営業時間 17:00~20:00
交通 東急大井町線中延駅、都営浅草線中延駅徒歩1分。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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