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池上 もつ焼き「福ちゃん」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活  第102回  2008年5月26日(月)  【地域別】 池上線】 【時間順】 【がっかり集】


池上 もつ焼き「福ちゃん」


  池上福ちゃん

 
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 大田区には呑川(のみかわ)という川が流れている。水源は東急田園都市線桜新町付近であるという。そこから、目黒区八雲、東急東横線都立大学駅付近、目黒区中根、東急目黒線緑が丘駅の裏側あたりまで地下を流れている。東急目黒線と東急大井町線の線路の下をくぐった直後、東京工業大学のグラウンド近くで地上に出る。さらに、大田区石川町、雪谷、久が原、池上、蒲田、糀谷を経て東京湾に注ぐのである。

 この川の名前を聞いた時、最初に浮かんだのは「酒呑みの川」という言葉だった。酒にまつわる伝説が特にある訳でもない。しかし、私は「酒呑川」と勝手に呼んで、缶チューハイ片手に川沿いを散歩することも多い。都立大学駅の近くの暗渠の上に作られた桜並木では、若い役者たちと花見の酒宴を開いたりすることもある。

 そんな呑川に掛かる橋のたもとに、以前からずっと訪問したいと思っていた店がある。最寄りの駅は東急池上線の池上駅である。しかし、最寄りと言っても10分以上かかる場所である。でも、実は東急バスの「反01」という「五反田駅」から「川崎駅西口北」まで行くバス路線を使い、「池上橋」というバス停で降りれば、徒歩5分の近さである。

 五反田から乗ったバスは、国道一号線(第二京浜)をまっすぐに走りつづけた。20分ほどのバスの旅である。「池上橋」のバス停で降りたら、五反田方面に少し戻る。そこに、第二京浜の上にかかる「池上橋」があり、下を呑川が流れている。
 目の前に「松井病院」という病院が見えた。川沿いを歩く。気持ち良い風が吹いている。松井病院脇の久埼橋(ひささきばし)を過ぎて、やや左にカーブしながら進むと、左手に「サンキュー」という焼き鳥店がある。その後、三つ目の橋の左手に「太陽泉」という銭湯があり、今日の目的の店、もつ焼き「福ちゃん」は、そのすぐ前である。

 到着したのは午後7時であった。橋のたもとの角地に建つ古い建物には入口が三つある。川沿いの道に面して一つ。川を渡る道に面して二つ。暖簾をくぐり、二つ並ぶうちの左側の引き戸を開いて中に入った。
 店内は、外観よりも小綺麗である。大きな白いL字カウンターには15人ほどが座れるであろうか。左奥に六人がけテーブルが二つある。カウンター席の左端は二人分程を折れ曲がっており、そこに小さなテーブルが一つ連なり、四人ほどが囲むように座ることが出来るようになっている。店全体を見ると、このテーブルとカウンターによって、変則的なコの字カウンターが形成されているのである。

 入ってすぐのカウンター席に座った。カウンター席の背後の頭上に古いブラウン管テレビがある。なにしろ頭上なので、私の座った横列側からは画面が良く見えない。川添いの入口を入ってすぐ、カウンターの縦側に座るとテレビがよく見える。そこで御夫婦らしき常連客が座ってテレビを見ている。カウンターの中は調理場である。そのど真ん中に冷蔵庫や水の機械などが山のようになっていて、私の席からお店の人がいる焼き台側は完全に死角になる。座ってしまうと反対側が見えないのである。見えない相手に向かって「すみません」と声を掛ける。

 顔を出してくれたマスターらしき人に「レモンサワーください」と伝えた。レモンサワー(400円)が来ると、「煮込みの小」をください」と言う。煮込みは(500円)、(400円)、(300円)の三つの量がある。煮込みが来たところで、かしら(90円)、なんこつ(90円)を2本ずつお願いした。焼き台はよく見えなかったが、焼きものはもう一人の女性が焼いているようであった。この店でこちら側に座ってしまった客は、調理場中央の山の向こうから人が来てくれた時に、すかさず何か頼まなければならないのである。

 やがて、女性客が入ってきた。やはりテレビの見えるカウンター席に座る。それからその相手らしき男性客、さらに、男性の一人客と、次々にお客さんが入ってくる。全員がお互いに知り合いであり、店の常連客のようである。そして、黙っていても好きな飲み物がそれぞれの前に出てくるのである。
 テレビではバラエティ番組が放送されていた。スタジオ内の客席に知り合いの方がいるらしく、「今、映った」「どこどこ」などとお店の人もお客さんもみんなで盛り上がっている。駅から遠い場所にある店である。ほとんどが常連客に違いない。顔見知りでない、私のような客も珍しいであろう。
 「出船によい風は入船にわるい」という言葉が壁のカレンダーに書かれている。なにやら、色々と考えさせられる言葉である。
 女性が一人、鍋を持って店に入ってきた。どうやら「煮込み」を買いに来たらしい。鍋一杯で1200円であった。本当に地域に根ざした店であることが解る。

 緑茶サワー(400円)とジャガバター(350円)を頼む。緑茶サワーをすぐにのんでしまったので、最後にお酒を飲むことにした。「お酒お願いします」と言うと、「冷たいのですか、常温ですか」と聞かれた。すぐに「常温で」と答えた。酒升にコップが入り、コップから酒升に酒がこぼれた状態でやってきたのは、辛口大平人(350円)である。一口、二口と呑む、ゆっくりと酔いが染み込んでくる。

 約45分の滞在。お勘定は2,250円。きちんと小銭まで細かく支払った。マスターが笑顔で「また、お越しください、お気を付けて」と丁寧に頭を下げてくれた。
 呑川(のみかわ)沿いの古い酒場で酒を呑む。独りで色々と考え、良い時を過ごせたに違いない。


 呑み川の 橋のたもとの 独り酒
   出船入船 吹く迷い風



池上 もつ焼き「福ちゃん」
住所 東京都大田区池上2-18-18
電話 03-3751-4801
定休 日曜・祝日
営業時間 17:00~22:00
交通 東急池上線池上駅下車徒歩10分・ 東急バス池上橋停留所から徒歩5分




ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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池上

Comments 2

居酒屋探偵DAITEN

バスは良いですね

コメントありがとうございます。

呑川沿いの京浜東北線より下流を今度歩いてみようと思います。

本文中で書いている五反田から川崎駅西口北へのバスは、
中延駅の近くも通りますので、その行き方もよろしいですね。

電車ではなく、バスを使って居酒屋を探す旅はいいです。
夕方の街をバスで走りながら、窓の外に赤ちょうちんを見つけ、
次のバス停で急いで降りる。当たり外れもあるでしょうから、
記事に出来るかどうか解りませんが。


croquettepunch

橋のたもとの風情..

酒呑川とは良く言ったものです.
さすが,DAITENさまならではの発想ですね!うはは!
川沿いに建つ,このお店の風情はいいですね.
私は,中延駅から川崎方面のバスに乗って行くのも好きです.

  • 2008-06-08 (Sun) 17:21
  • REPLY