居酒屋探偵DAITENの生活 第269回 2009年10月15日(木)
【地域別】 【時間順】荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」

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荏原中延駅の裏に
「太平山酒蔵・荏原中延店」という居酒屋がある。こちらのお店を訪れたのは、今から7、8年前かもしれない。その時、一緒だったのが
第158回の記事で紹介した俳優の
博田章敬君であった。当時の博田章敬君の行きつけのお店であり、彼がお店の方と楽しく話をしていた記憶がある。私が目的を持って居酒屋を巡るようになる以前の話なので、あまりお店の記憶はなかった。それ以来、再訪したいと思いながら実現しないでいたのである。
太平山酒蔵は、どこも照明の入った黄色い大きな看板が印象的だ。長い年月で黄色がやや変色しており、店の左端に掛かる
「お気軽にどうぞ」と書かれた提灯(写真)も良い意味でくたびれている。間口は比較的広い。左手は焼き鳥の焼き台が中にあって、右手の入口は格子戸になっている。典型的な古い居酒屋の風情である。

←「お気軽にどうぞ」の提灯
格子戸をガラガラと音を立てて入る。入ってすぐ左手にカウンター五席。カウンターの中は調理場。右手に四人テーブルが一つ、その奥の中央が広くなっていて、十人くらいが座れる大テーブルがある。さらに奥には、十数人は座れる座敷もあった。
中央の大テーブルには、お互い少し離れて常連の皆さんが二人座っておられる。前回、
博田君と来たときにもこの大テーブルに座った記憶がある。常連席ということか。
カウンターの中に、お店と同じように年期の入った女将さんがいて、この方が料理を作る。もう一人の娘さんかお嫁さん位の年齢の女性がそれを運ぶのだ。
まずは、ホッピー黒(400円)をいただく。お通し(300円)は、きんぴらの煮付けである。黒ホッピーを氷なしでお願いすると、冷えたジョッキに焼酎を入れ、黒ホッピー瓶と一緒のセットが出てきた。
カウンター席からは3枚の黒板に書かれた、
本日のおすすめ商品がよく見えない。
「店の中をうろうろしてすいません」と、先客の皆さんに言いながら、店の奥の方へ黒板メニューを見に行く。
決めたのは、つるむらさきのおひたし(250円)と、たこ刺身(250円)である。
ホッピーを美味しくいただきながら、きんぴらごぼうの突き出しを食べる。しゃきっとした食感があり、とても美味い。つるむらさきのおひたしも、ヌルっとした食感が独特で、量も多く美味い。たこ刺身も250円という価格にしては十分な量。
たこ刺身を持ってきてくれた時、
おてしょうに、お醤油をさしてくれる。そんなちょっとした気遣いがうれしい。
店の中央の四角い巨大テーブルに、後から常連の皆さんがやってくる。まるで、互いに約束していたようにやってきて声をかけあう。その中で、いかにも
江戸っ子という感じの方がいた。声が
落語家の
「八代目 桂文楽」に似ている。久しぶりに
「べらんめえ」を聞いた。昔、働いていた日暮里界隈の人たちを思い出す。この
「べらんめえ口調」が、私にはまるで
音楽のように心地よく聞こえるのである。実に楽しそうだ。私も
江戸っ子3代目である母、そして、祖母や祖父の影響を受けて、酒が入ると
「べらんめぇ口調」になってしまう。
2杯目はレモンサワー(350円)。
再び、店の奥まで行って、かしら串焼き(350円)を黒板メニューの中に発見する。でてきたものは、鉄串に6切れ刺したものが2本。大串である。
お酒の価格は、サッポロビール大瓶が580円、中生ビールが480円、いいちこと二階堂の一升瓶が4000円、看板の秋田清酒太平山の小どっくりは330円、同じく生酒の300ミリリットル入瓶が650円である。
柱時計が7時を打った。ゆっくりと時間が流れてゆく。
店内には、誰かにプロデュースされ、無理矢理作られた
「昭和」の雰囲気とは違う本物の何かがある。作ったのではない
「時」が蓄積しているのだ。
秋田清酒太平山一合(350円)を常温でいただいた。いわゆる
「ひや」である。桝にグラスが入っていて、つぐときに桝にも少しこぼしてある。
酒を呑む。美味い。桝の中の酒をこぼさないようにグラスに注ぎながら、
呑み散らかす酒飲みではありたくないものだと考えた。しかし、「もし、酔って忘れてしまったら、ごめんなさい」ではある。
常連の方々は五人に増えていた。皆さん、とても楽しそうだ。
お勘定をお願いすると、2530円であった。6時25分から50分の滞在。
常連の皆さんに「お先に」と声をかけると、
べらんめえ口調の
“桂文楽師匠”が
「うるさくてすいませんね。」と、かん高い声でおっしゃる。
「楽しそうなんで、次回は混ぜてもらいますから・・・」と答えて店を出た。
荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」住所 東京都品川区東中延1-10-19
電話 03-3787-5983
定休日 ?
営業時間 ?
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩5分。
ホッピー原理主義者とは?ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。
ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」は
こちら。
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