下北沢駅前劇場~下北沢「宿場」
居酒屋探偵DAITENの生活 第27回 2007年6月22日(金) 【地域別】 【時間順】
下北沢駅前劇場~下北沢「宿場」
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駅前劇場
2006年の暮れ、SAKURAが演出した青年座第104回スタジオ公演「COLORSⅡ~シャンソンと愛のモルナールあえ」の中で、好評だった「幸せな妻」の夫役を演じられた青年座のベテラン俳優名取幸政さんが出演される芝居を見る為、SAKURA、SAPメンバーの創間元哉と漆山健太郎の4人で下北沢は駅前劇場にやってきた。
駅前劇場は、まさに下北沢の駅前の雑居ビルの三階にある。
今回の公演は、劇団海千山千プロデュース公演第13発!『マイラストセレモニー』である。同劇団の代表であり、作・演出の鯨エマさんは青年座出身とのこと。
ホームページ「鯨エンターテイメント」にはこのように書かれている。
1997年2月、鯨エマと木寺美由紀よって結成した演劇公演のプロジェクトチーム。常にプロデュース公演のスタイルで公演を続けている。摂食障害の女性、精神病院の看護婦、アルコール依存症の患者、帰国子女、ホームヘルパーなど、現代社会で複雑な迷いを抱えながら生きる人間を描き、特に同世代の女性の共感を得ている。
鯨エマさんは社会派的題材を芝居にしている作家である。今回も鯨エマさんが葬儀社で働いた時の経験から生まれた作品であるという。
名取幸政氏の役柄は、霊柩車の運転手・仙道と三途の川の渡し船の船頭の二役である。主人公が死んだ父親の葬式の際、霊柩車の助手席に慰霊を手に乗り、運転するのが名取氏であった。このシーンが印象的であった。
同公演を見た我々の意見は全員一致「名取さんが出てくるとホッとする」であった。
公演が終わった後、ロビーに顔を出された名取氏から「これから皆さんでどこかで飲むのですか?」と聞かれ、店が決まったら携帯電話で連絡をすることに決めた。
下北沢「宿場」
駅前劇場を出る時、創間君から「行く店の腹づもりはあるのですか?」と聞かれる。
「当たり前じゃないか」と笑うと、「でしょうね」と創間君も笑う。
下北沢には、大規模チェーンの居酒屋も多い、なにしろ「駅前劇場」の入っているビルの二階は【炭火焼きだいにんぐ「わたみん家」下北沢店】であり、地下一階は【語らい処「坐・和民」下北沢南口店】である。つまり、しばらく来ないうちに、駅前劇場のビルは、いわゆる〈居酒屋ビル〉になってしまっていたのである。
やはり、大規模チェーンは避けたいのである。今日は、よく見るブログ「橋本健二の居酒屋考現学」で紹介された「宿場」に行くと決めていた。
駅前劇場を出ると目の前は駅南口の階段である。出て左にある十字路を抜け、ゆるやかな坂を降りて行く。200メートルほど歩いた左手の雑居ビルの中をのぞくと、衣類がディスプレイされた廊下の奥に、「宿場」と書かれた提灯が見えた。
店に入ったのは、午後9時15分頃であったろうか。中に入るとL字カウンターが10席程度、四人掛けテーブルが十数卓ほどある。すでに満席に近い状態。若者たちで一杯の店内はかなりうるさい。5人であると伝えると、左手奥の三方を壁に囲まれた10人程が座れる席に通された。特等席である。これで芝居の話がじっくりできる。運がよいと言える。
まずは、4人ともホッピー(450円)を頼んだ。ここのホッピーは瓶が200円、焼酎が250円である。氷の入ったジョッキに、ホッピー1本、ビアタンブラーにすり切り一杯入った焼酎がセットでくる。
漆山健太郎君はホッピーを飲んだことが無いと言う。今回は氷を入れたが、本当は氷を入れない方が味わいがあること、普通はホッピージョッキやホッピータンブラーに焼酎が入ったものとホッピー1瓶がついてくるので、おかわりをする場合、焼酎のお代わりを中(なか)、ホッピー瓶のお代わりを外(そと)と呼ぶ等、初めての人に対するホッピー講義をまたしてしまった。気がつくと、ホッピーのエバンジェリスト(evangelistキリスト教における福音伝道者。ある製品に関する熱狂的な信奉者で,他人にその良さを伝えようとする人)になってしまっている。
漆山君はあまり酒に強くない。そこでこのように話した。
「ホッピーは、ついつい飲み過ぎてしまうので怖い飲み方である、と言う人がいるが、それは違うんだよ。焼酎というアルコール部分と割りものであるホッピーが別々で出てくるので、かえって酒に弱い人に最適なんだよ。最初だけホッピーをセットでもらい、後はホッピー瓶=【外】だけをもらっていれば、酔わないで済む、余った焼酎=【中】を一緒に飲んでいる酒好きにあげてしまえば、かえって喜ばれる。一人だけソフトドリンクとか飲んでいるよりも目立たず、酔っぱらいにからまれるリスクも少ない。本人もビールに近い口当たりだから酒を呑んでいる気分になれる。なにより、プリン体フリーで、カロリーも少ないので健康によいのだよ。」
もう、完全に伝道師である。
ここのつまみには250円均一というグループがある。ムール貝のバター焼き(250円)と、オクラ納豆(250円)、焼きそば(250円)等を頼む。刺身三点盛り(750円)その他たくさんつまみを頼んだ。
20分程して、名取氏がいらっしゃった。名取氏はエビスビール生・中ジョッキ(450円)である。エビスの中ジョッキが450円というのは安い。
名取氏から色々とお話を聞いた。「まあだだよ」や「夢」など、黒沢監督作品に出演された時の話が印象に残った。創間君や漆山君のような若い俳優たちにとって、実に勉強になる一時であったと言える。
私は途中から酒に切り替えた、久保田千寿(500円)である。この店は日本酒に力を入れている。片手で一升瓶を持ちグラスに注ぐ時、受け皿からこぼれる寸前で止める店員さんの技に感心する。「受け皿からこぼれる寸前」という光景が酒飲みは好きである。最初に考えた人は偉い。
午後11時、明日の楽日が残っている名取氏が先に帰られた。
名取氏の帰られた後、午前0時近くまで盛り上がってしまった。勘定は5人で10500円。ずいぶんと食べて飲んだ。あの内容ならば安いと言える。若者たちが多い店である理由も解る。良い店である。
下北沢 駅前劇場
世田谷区北沢2-11-8 TAROビル3F
tel/03-3414-0019
http://www.honda-geki.com/
下北沢「宿場」下北沢店
世田谷区北沢2-15-15 末広ビル1F
電話 03-3419-6379
年中無休 17:00~26:00
小田急線・井の頭線下北沢駅 徒歩3分
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実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」
下北沢駅前劇場~下北沢「宿場」



駅前劇場
2006年の暮れ、SAKURAが演出した青年座第104回スタジオ公演「COLORSⅡ~シャンソンと愛のモルナールあえ」の中で、好評だった「幸せな妻」の夫役を演じられた青年座のベテラン俳優名取幸政さんが出演される芝居を見る為、SAKURA、SAPメンバーの創間元哉と漆山健太郎の4人で下北沢は駅前劇場にやってきた。
駅前劇場は、まさに下北沢の駅前の雑居ビルの三階にある。
今回の公演は、劇団海千山千プロデュース公演第13発!『マイラストセレモニー』である。同劇団の代表であり、作・演出の鯨エマさんは青年座出身とのこと。
ホームページ「鯨エンターテイメント」にはこのように書かれている。
1997年2月、鯨エマと木寺美由紀よって結成した演劇公演のプロジェクトチーム。常にプロデュース公演のスタイルで公演を続けている。摂食障害の女性、精神病院の看護婦、アルコール依存症の患者、帰国子女、ホームヘルパーなど、現代社会で複雑な迷いを抱えながら生きる人間を描き、特に同世代の女性の共感を得ている。
鯨エマさんは社会派的題材を芝居にしている作家である。今回も鯨エマさんが葬儀社で働いた時の経験から生まれた作品であるという。
名取幸政氏の役柄は、霊柩車の運転手・仙道と三途の川の渡し船の船頭の二役である。主人公が死んだ父親の葬式の際、霊柩車の助手席に慰霊を手に乗り、運転するのが名取氏であった。このシーンが印象的であった。
同公演を見た我々の意見は全員一致「名取さんが出てくるとホッとする」であった。
公演が終わった後、ロビーに顔を出された名取氏から「これから皆さんでどこかで飲むのですか?」と聞かれ、店が決まったら携帯電話で連絡をすることに決めた。
下北沢「宿場」
駅前劇場を出る時、創間君から「行く店の腹づもりはあるのですか?」と聞かれる。
「当たり前じゃないか」と笑うと、「でしょうね」と創間君も笑う。
下北沢には、大規模チェーンの居酒屋も多い、なにしろ「駅前劇場」の入っているビルの二階は【炭火焼きだいにんぐ「わたみん家」下北沢店】であり、地下一階は【語らい処「坐・和民」下北沢南口店】である。つまり、しばらく来ないうちに、駅前劇場のビルは、いわゆる〈居酒屋ビル〉になってしまっていたのである。
やはり、大規模チェーンは避けたいのである。今日は、よく見るブログ「橋本健二の居酒屋考現学」で紹介された「宿場」に行くと決めていた。
駅前劇場を出ると目の前は駅南口の階段である。出て左にある十字路を抜け、ゆるやかな坂を降りて行く。200メートルほど歩いた左手の雑居ビルの中をのぞくと、衣類がディスプレイされた廊下の奥に、「宿場」と書かれた提灯が見えた。
店に入ったのは、午後9時15分頃であったろうか。中に入るとL字カウンターが10席程度、四人掛けテーブルが十数卓ほどある。すでに満席に近い状態。若者たちで一杯の店内はかなりうるさい。5人であると伝えると、左手奥の三方を壁に囲まれた10人程が座れる席に通された。特等席である。これで芝居の話がじっくりできる。運がよいと言える。
まずは、4人ともホッピー(450円)を頼んだ。ここのホッピーは瓶が200円、焼酎が250円である。氷の入ったジョッキに、ホッピー1本、ビアタンブラーにすり切り一杯入った焼酎がセットでくる。
漆山健太郎君はホッピーを飲んだことが無いと言う。今回は氷を入れたが、本当は氷を入れない方が味わいがあること、普通はホッピージョッキやホッピータンブラーに焼酎が入ったものとホッピー1瓶がついてくるので、おかわりをする場合、焼酎のお代わりを中(なか)、ホッピー瓶のお代わりを外(そと)と呼ぶ等、初めての人に対するホッピー講義をまたしてしまった。気がつくと、ホッピーのエバンジェリスト(evangelistキリスト教における福音伝道者。ある製品に関する熱狂的な信奉者で,他人にその良さを伝えようとする人)になってしまっている。
漆山君はあまり酒に強くない。そこでこのように話した。
「ホッピーは、ついつい飲み過ぎてしまうので怖い飲み方である、と言う人がいるが、それは違うんだよ。焼酎というアルコール部分と割りものであるホッピーが別々で出てくるので、かえって酒に弱い人に最適なんだよ。最初だけホッピーをセットでもらい、後はホッピー瓶=【外】だけをもらっていれば、酔わないで済む、余った焼酎=【中】を一緒に飲んでいる酒好きにあげてしまえば、かえって喜ばれる。一人だけソフトドリンクとか飲んでいるよりも目立たず、酔っぱらいにからまれるリスクも少ない。本人もビールに近い口当たりだから酒を呑んでいる気分になれる。なにより、プリン体フリーで、カロリーも少ないので健康によいのだよ。」
もう、完全に伝道師である。
ここのつまみには250円均一というグループがある。ムール貝のバター焼き(250円)と、オクラ納豆(250円)、焼きそば(250円)等を頼む。刺身三点盛り(750円)その他たくさんつまみを頼んだ。
20分程して、名取氏がいらっしゃった。名取氏はエビスビール生・中ジョッキ(450円)である。エビスの中ジョッキが450円というのは安い。
名取氏から色々とお話を聞いた。「まあだだよ」や「夢」など、黒沢監督作品に出演された時の話が印象に残った。創間君や漆山君のような若い俳優たちにとって、実に勉強になる一時であったと言える。
私は途中から酒に切り替えた、久保田千寿(500円)である。この店は日本酒に力を入れている。片手で一升瓶を持ちグラスに注ぐ時、受け皿からこぼれる寸前で止める店員さんの技に感心する。「受け皿からこぼれる寸前」という光景が酒飲みは好きである。最初に考えた人は偉い。
午後11時、明日の楽日が残っている名取氏が先に帰られた。
名取氏の帰られた後、午前0時近くまで盛り上がってしまった。勘定は5人で10500円。ずいぶんと食べて飲んだ。あの内容ならば安いと言える。若者たちが多い店である理由も解る。良い店である。
下北沢 駅前劇場
世田谷区北沢2-11-8 TAROビル3F
tel/03-3414-0019
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下北沢「宿場」下北沢店
世田谷区北沢2-15-15 末広ビル1F
電話 03-3419-6379
年中無休 17:00~26:00
小田急線・井の頭線下北沢駅 徒歩3分
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