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浅川マキ追悼

居酒屋探偵DAITENの「アート録」Vol.2



浅川マキ追悼

 浅川マキが死んだ。

 ニュースによれば、次の通り。(毎日新聞ニュースより) 
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 歌手の浅川マキ(あさかわ・まき)さんが17日夜、公演で滞在していた名古屋市中区のホテルで死亡しているのが見つかった。67歳だった。愛知県警中署によると、病死とみられるという。同署によると、同日午後7時45分ごろ、ホテル室内の浴室で倒れている浅川さんを事務所スタッフらが見つけた。浅川さんが公演で滞在中で、時間になっても部屋から出てこなかったためスタッフらが様子を見に行ったという。

 浅川マキは石川県生まれ。67年「東京挽歌/アーメン・ジロー」でデビュー。翌年、新宿のアングラ劇場、蠍(さそり)座で寺山修司演出の独り舞台に出演し評判となった。山下洋輔さんや坂田明さん、坂本龍一さんらと共演。70年代にかけ、ジャズやソウルに影響を受けた愁いを帯びた声と全身黒ずくめの衣装で歌い「アングラの女王」として、全共闘の若者を中心に人気を集めた。代表曲に「夜が明けたら」「かもめ」など。
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 私にとっては、吉祥寺の「曼荼羅」というライブハウスで生ライブを見たのが17歳の頃であった。母と母のお店の女性たちやお店のお客さんたちと行ったのである。その後、二十代のはじめにファンになったジャズ・ピアニストの板橋文夫氏の名曲「グッド・バイ」を浅川マキさんが歌った。「マイ・マン」というアルバムの中にこの曲は入っている。その歌詞に泣いた。
 夜の街を彷徨う二十代であった。何の為にあんなに彷徨っていたのか。今、居酒屋を探して路地裏を巡り歩く自分がいる。この歌詞の中の男と自分が重なり合う。いや、重なり合うことを望んでいる。


グッドバイ
作詞/浅川マキ 作曲/板橋文夫

今 しずかな夜
ちょうど いい季節
誰も知らない抜け道を
急ぐ あなたが見える

自分にさえもサヨナラした
あなたの 背中がゆく

もう愛せないの
闇を駆ける さすらいびと


浅川マキ、中上健次、十九歳の地図、新宿、路地裏・・・。
久しぶりに、新宿へ、そして、吉祥寺に行ってみたいと思う。

 
人が次々に亡くなってゆく。今夜も追悼の酒を飲む・・・。

Comments 6

居酒屋探偵DAITEN

Re: 星が死ぬとき

GAI殿

居酒屋探偵DAITENです。

> 井の頭公園で犬の散歩中に、高田渡氏に会ったことがある。彼は微笑んで俺たちの姿を見ていたっけ。

高田渡さんといえば、吉祥寺「いせや」だよね。
それも公園店。二階の三畳間で連れがある時は高田さんは飲んでいたそうだね。
我々はいつも入口を入って左手辺りだったような。今度、是非行こう。

> 星が死ぬときには、蝶が羽を広げたように光を放つ。
> ああ、俺も星になりたいなあ

超新星だね。

  • 2010-01-21 (Thu) 12:30
  • REPLY
GAI

星が死ぬとき

井の頭公園で犬の散歩中に、高田渡氏に会ったことがある。彼は微笑んで俺たちの姿を見ていたっけ。
20歳の頃、ノロという飲み屋のカウンターでご一緒したことがあるんだ。あの時の、いろいろ裏話もあるんだけどさ。
渡さんの、唄がいいなあって思ってさ。やっぱ、この歳にならないとわからんのかなあとかおもってさ。ライブに行こうかな。っていたら、死んじゃった。

星が死ぬときには、蝶が羽を広げたように光を放つ。
ああ、俺も星になりたいなあ

  • 2010-01-21 (Thu) 02:43
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

Re: Re: 寂しい

GAI殿

居酒屋探偵DAITENです。

追伸

松田優作もそうだった。
母と一緒に「ブラック・レイン」を新宿の映画館で見て、
一週間後に、松田優作は亡くなった。
映画を見た直後、映画館で母が
「松田優作、やばいね、普通じゃないよ」
と予見するようなことを言ったことをよく覚えている。

  • 2010-01-20 (Wed) 12:22
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

Re: 寂しい

GAI殿

居酒屋探偵DAITENです。

> daitenのブログを見て知ったよ。
> 20歳前後の、jazzに浸りきっていた頃、耳に入ってきた日本のブルースだった。
>
> 吉祥寺といえば、高田渡さんも逝っちゃった。そして、また一人帰天だね。
> 次回は、俺の地元で飲みましょう。

昔から出逢ったり、思い出したりすると、その人が死んでしまう。

中上健次は新宿の裏路地で、偶然出会った数ヶ月後、亡くなってしまった。
寺山修司は渋谷ジァンジァンで寺山修司作品連続公演を見る為、並んでいた時に、
劇場脇の車の中から出てきた。そのすぐ後に、亡くなってしまった。
浅川マキを思い出した。
「グッドバイ」は自分で唄いたいと思い
携帯の中に歌詞を入れてある。
正月の新年会で少し唄ったあの後、携帯の中の「グッドバイ」を思い出した。
そうしたら、浅川マキが亡くなってしまった。

吉祥寺で飲みましょう。
「少年」に毛の生えたような・・・あの頃のように。

GAI

寂しい

daitenのブログを見て知ったよ。
20歳前後の、jazzに浸りきっていた頃、耳に入ってきた日本のブルースだった。

吉祥寺といえば、高田渡さんも逝っちゃった。そして、また一人帰天だね。
次回は、俺の地元で飲みましょう。

偶然だけど、最近、犬の散歩のときにくちずさんでいる歌を送ります。
歌詞が間違っているかもしれないよ。追憶の歌だから。
あの頃は唄えなかったけれど、いまなら、ちょっとはましになったかな。


少年

ゆうぐれのかぜが ほほをなでる
いつもの店に 行くのさ
仲のいいともだちも 少しはできて
そう捨てたもんじゃない

さして大きな できごともなく
あのひとは いつだってやさしいよ
どこで暮らしても 同じだろうと
わたしは思っているのさ

なのに どうしてか知らない
こんなに 切なくなって
町で一番高い丘へ 駆けてくころは
ほんとに泣きたいくらいだよ

真っ赤な夕日に 船が出ていく
わたしのこころに なにがある

  • 2010-01-19 (Tue) 23:38
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

Re: 浅川マキさんの死去と新宿ゴールデン街

コメントありがとうございます。

私と同じように、浅川マキさんへ特別な想いを持っていらっしゃる方がいらっしゃること。
うれしく思います。
私のブログが少しでも役に立っているようで、これも
うれしく思います。
日々、頑張って生きてまいりましょう。

  • 2010-01-19 (Tue) 12:08
  • REPLY