蒲田 やきとり「よしたか」
蒲田 やきとり「よしたか」




日曜日である。蒲田駅に降り立ったのは午後5時過ぎであった。それから蒲田駅西口側の路地裏を巡り歩き、さらに西に向かった。右にカーブする東急池上線の踏切を渡り、直角に左に曲がると、今度は東急多摩川線の踏切を渡った。
やがて、環状八号線に出た。新蒲田一丁目という交差点である。交差点の向う側に小さな商店街が見え、しばらく歩くと右手に豆腐店があった。豆腐店の前辺りで少し先の赤提灯に気づく。赤提灯の場所に行ってみると、そこは六叉路になっていた。六叉路の一角の三角地に3階建のビルがあり、その一番鋭角になっている部分の一階にその店はあった。2階部分に付けられた看板に「炭火やきとり よしたか」と書いてある。店主の方の名前であろうか。
東側の右手に入口があり、左手の窓口から持ち帰りのやきとりを売っている。私が通り掛かった時もちょうど男性の方が一人やきとりが焼き上がるのを待っている様子であった。そこで、周辺を散策してみることにした。近くには洋食屋やたこ焼き店などもあった。もどってみると、店の中も外もお客さんがいなかった。
暖簾をくぐって中に入った。左手に6席の一直線カウンターがある。一番奥から2番目の席に座った。カウンターの端にもう一つ椅子が置いてあり、本来は7人掛けのようである。
カウンターの中は調理場。壁に面して焼き台があり、冷蔵庫が置いてあった。店の一番奥、建物の西南側に裏口があり、そこから良い風が入り込んでくる。冷蔵庫の上のテレビでは、ちょうど日本テレビの「笑点」が始まっていた。
何を飲もうかと思案していると、年輩のご常連の方が入ってこられた。常連の方とマスターのお話の間をぬって生ビール(450円)をお願いする。最近は、「プリン体」が恐いのでビールは出来るだけ止め、プリン体の少ない発泡酒や第3のビールを飲むことが多い。しかし、暑い日にはついつい「生」を飲んでしまうのである。
焼き物をお願いした。なんこつ(120円)、ぼんじり(150円)、やきとり肉(120円)、はつ(100円)を各一本ずつ頼んだ。
やきとりの文字の下の「肉」の文字が謎であった。
「笑点」ではWヤングの漫才をやっていた。懐かしい。漫才ブーム以前に活躍したWヤングは本当に面白かった。「やすしきよしが最も恐れる漫才コンビ」と呼ばれたそうである。ある理由から現在はメンバーが一人代わっている。この時のことはよく覚えている。
外はまだ明るい。日曜日、テレビで「笑点」をやっている時間に酒場にいられることが楽しい。今日の「笑点」は第2222回であるという。福岡市からの中継であった。
御夫婦が入ってこられた。御主人がハーフサイズの白ワイン(1,000円)を頼み、馴れた様子でよどみなく次々と食べ物の注文をしてゆく。様々な店を探して彷徨い歩く居酒屋探偵には出来ない技である。
2杯目は清酒(400円)をお願いした。親父らしく「ひや」のコップ酒を飲んでいる。それなのに、何故か今日は赤いカラージーンズに赤いTシャツを着て、フード付のパーカーを羽織り、野球帽も被っている。いつもと違う妙な変装だった。
御夫婦の焼き物が次々に運ばれてくる。
「ししとう、辛いのが当たったらごめんなさいね」とマスター。
奥様の方に辛いものが当たってしまった。
「当たったわ・・・」と辛そうである。
串焼きのお店ならではのやりとりであった。
「笑点」の大喜利を見終わって、お勘定をお願いした。
午後5時30分から6時まで30分の滞在。1,540円であった。
住宅街を歩いてゆく。しばらく歩くと蒲田から六郷土手行きのバスが通る道に出た。そこに、味わい深い外観の古い「食堂」を発見した。入ってみたいという衝動を抑え、再び歩き始めた。自分の「分野」とは少し違うと思ったからである。
(つづく)
蒲田 やきとり「よしたか」
住 所 東京都大田区新蒲田2-1-13
電 話 ?
定休日 ?
営業時間 ?
交通 東急池上線・多摩川線蒲田駅下車徒歩10分。JR京浜東北線蒲田駅下車徒歩10分。
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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Re: 笑点の幸せ