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自由が丘「かとりや」

居酒屋探偵DAITENの生活 第38回  2007年9月9日(日)    【地域別】  【時間順】



自由が丘 「かとりや」

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 都立大学駅近くの稽古場での「プロジェクト」の稽古が終わり、SAKURAと東急東横線に乗る時、SAPメンバーの創間君から「今日は大人しく帰るんですか?」と聞かれる。
「そういう訳ではないけど、都立大学のいい店は日曜日は休みのところが多いからねえ」と答えた。創間君とは別れ、少し自由が丘の街をぶらつくつもりで、自由が丘駅でSAKURAと二人下車した。
 すると、まだ少しも歩かないうちに、SAKURAが「金田はどう?」と言う。しかし、金田は日曜定休である。

 自由が丘には古い居酒屋が集結している地域が一カ所ある。駅前ロータリーのある側の出口に出てから、右手のガード下に出る方の改札を出て右方向に行く。すると、名店と呼ばれる「金田」をはじめ、古い居酒屋が残っている場所に出る。前回、記事を書いた時は、一人で「金田」「阿波の里」に顔を出した。
 しかし、「金田」「阿波の里」も日曜日は休みである。うなぎを食べさせる「ほさか」にも惹かれたが、以前より入りたいと思いながら満席だったりして機会のなかった「かとりや」に入ることにする。場所は「阿波の里」の右隣である。

 午後5時20分頃入店。店は角地に立っており、地形は三角形。店内に入るとL字型のカウンターが目の前にあり、カウンターの中が三角形の調理場になっている。カウンターに15人くらい座れるだろうか。

 三角形の中心に立っている白衣を着た細身の男性が「生?」と聞いてくる。
 一瞬、考えてからSAKURAと二人だったので、瓶ビール大(580円)を一本頼むことにする。
 次に白衣の男性が「適当に焼く?」と聞いてくる。一瞬考えてから「まかせます」と答えた。居酒屋で楽しく過ごすには、まずは店の流儀に合わせ、少しづつ自分を主張してゆくのが一番である。
 さらに、「奴とか厚揚げとか?」と聞かれる。
 周囲を見ると常連さんらしき人々はみんな「奴」を頼んでいる。この店では、「奴」か「厚揚げ」を頼むのが定番らしい。そこで、厚揚げ(280円)をお願いした。

 残暑厳しい夕暮れ時、ビールがうまい。
しばらくして、「おまかせ」の焼き物が出てきた。最初は、たん、はつ、かしら(各100円)が出てくる。続いて鳥ねぎ、砂肝(各100円)である。焼き物は基本的に100円、一回に2本から頼む約束事「二本縛り」になっている。

 焼き物はどれもうまかった。肉は小ぶりだが焼き加減が良い。どれも一本百円である。計算をするのが面倒だからみんな同じ値段なのかもしれない。
 店の右端の方の焼き台の前には、坊主頭で口ひげのTシャツ短パンの親父さんが火に向かって一心に焼き物を焼いている。どこか護摩を焚く僧侶の風情である。

 ビールを飲んでから私はサワー(380円)にした。SAKURAは梅酒サワー(380円)である。この店の焼酎サワーに入れる焼酎はあの「金宮」である。「金宮」といえばホッピーであるが、この店にホッピーは無い、ホッピーを売り物にしている隣の「阿波の里」との棲み分けであろうか。「ダイドー」も置かれていて、どうやら割り方によって銘柄が変わるようである。
 さきほどの白衣の男性はパーマをかけている。焼き台の前の坊主頭の親父さんとは、一見するとまったく違うタイプに見えるが、よく見ると顔が似ている。身体の動きや雰囲気も近いものがある。ご兄弟だろうか。

 完全に男所帯の店内には独特の緊張感が流れている。白衣の男性は常連とギャンブルの話をしている。しかし、少しもうるさくはない。焼き方の親父さんは無口である。カウンターには一目で「水商売」のママさんと店の女性と解る二人客が飲んでいる。サングラスをかけているママさんらしき人は、往年の美人女優淡路恵子さんに似ており、静かな独特の雰囲気を周囲に漂わせている。
 やがて、そのママさんが坊主頭の親父さんに生ビールを振る舞った。親父さんはジョッキを持ち上げ、静かに「礼の形」を示し、少しだけ口をつける。

 エリンギ(100円)と、しいたけ(100円)を2本つづ頼んだ。
飲み物は、チューハイ(380円)を頼んだ。氷が入っているとはいえ、8分目まで「金宮」が注がれる。そこにソーダが少しだけ入れられる。この店のサワー類は濃い。サワーグラスの半分は焼酎に違いない。よくある混ぜる前の上澄みのみが濃く、割り箸で混ぜると、とたんに薄くなってしまうような軟弱なサワーではない。混ぜても焼酎の味が舌を刺激する。

 最後に「かとりや」と書かれたお銚子で出てくる日本酒(300円)をぬる燗にしてもらった。
 SAKURAがこの店を評して「無駄が何もない店ね」と言った。まさに、その通りである。焼き物は100円、サワー類はどれも380円という値段設定といい、カウンターだけの客席、店側は男性二人だけ、必要最低限の接客しかしない。年中無休。実に無駄がない。
 常連客もほとんどが一人客でみな静かである。私たちの隣に座った男性客の前には、何も言わずともチューハイが出てきた。男性客は「レバ、ハツ、タン」と焼き物の名前を口にする。白衣の男性が黙って、「レバ、ハツ、タン」を2本づつ取り出す。黙って親父さんがそれを焼く。しばらくして「レバ、ハツ、タン」と言いながら親父さんが客の目の前に皿を置く。無駄のないやり取りである。

 この店には軽い気持ちで入ってきて欲しくない。独特のこの雰囲気を壊されたくない。店の人も常連客たちもそう思っているに違いない。「子供」には不向きの店である。
 午後6時30分頃に外に出た。1時間15分ほどの滞在、二人で3700円であった。
日曜日の夕方の自由が丘に、ひとつ楽しみが出来た。


 ※  ※  ※

 追記 2010年2月に新装開店。ずいぶんと雰囲気が変わっている。(2010年10月30日)


自由が丘 かとりや
東京都目黒区自由が丘1-12-9
電話03-3718-5505
無休 営業時間 17:00~24:00



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ホッピービバレッジが推奨する飲み方を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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