Life of the izakaya detective DAITEN居酒屋探偵DAITENの生活 第504回 2013年1月19日(土)
【地域別】 【時間順】 【がっかり集】渋谷 居酒屋「やまがた本店」 ~ 渋谷川に映る空 ~

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SAKURAと待ち合わせをした。そして、歩き始めたのは午後4時近くであった。
近くでの用事を済ませ、日の丸自動車学校の前を通り、恵比寿ガーデンプレイスの高層ビルを右手に見上げながら歩き、山手線の上をまたぐ恵比寿南橋を渡る。ここから山手線の東側の右にカーブした坂を下って行くと、「恵比寿駅東口」という交差点に出る。ここで左斜め方向に歩いてゆくと、斜めに入った道沿いに、緑色の懐かしい看板を発見した。
「梅歴酒店」さんである。
←「梅歴酒店」 SAKURAが暖かいお酒で温まりたいというので入ってみることにした。因みに、こちらのお店は
2007年5月2日の
第21回で紹介している。ずいぶん前のことである。
緑色の扉を開けて中に入ると、左手に6人から7人が立てる
立ち飲みカウンターがある。その奥の方には少し広くなっている空間があり、壁カウンターに向かって立つことが出来る。そこの高い位置に
「梅暦」という文字のネオン看板が眩しく輝いていた。そして、カウンターの端には、液晶テレビがあった。このテレビは6年前には無かったような気がする。
SAKURAは
芋焼酎お湯割(400円)、私は
お酒(300円)を冷やで頼んだ。銘柄は
八重壽とのこと。
30分ほどの滞在。実は店内に値段の入ったメニューを見つけることが出来なかった。
「わざと別々に払おうよ、値段も解るから」と
SAKURAが言う。面白い。その通りであった。
それぞれ400円と300円を払って外に出た。
駒沢通りを渡り、山手線の線路の西側の道を渋谷を目指す。そして、3月16日からの地下化が決まっている東急東横線の下をくぐり、渋谷手前で右に曲がり、再び東横線の下をくぐって
渋谷川を渡る稲荷橋の上に立った。

←渋谷川
渋谷川の地上部分は渋谷駅近くの今は無き
宮益橋からこの
稲荷橋、さらに
天現寺橋までの2.6kmのことであり、
天現寺橋から東京湾までの下流は
古川と呼ばれているそうである。
そして、この
稲荷橋の上流から
渋谷川は暗渠の中に消えるのである。
3月以降消えようとしている東横線の高架と明治通りに面した雑居ビル群の背中側に挟まれた狭い場所にひっそりと流れる渋谷川に映る夕暮れ時の空を眺めていると、いいしれぬ物悲しさを感じる。
明治通りに出て、渋谷駅の東口側に出た。そこであの新しく出来た
高層ビルに出会う。
下の部分よりも上の部分が大きく、とても不安定な感じを受け、私はこの
高層ビルのことが好きになれない。そこにかつてあったドーム型のプラネタリウムがのった
東急文化会館の建物が懐かしい。
渋谷駅近くで用事を済ませ、向かったのは渋谷駅の西側の飲屋街。まずは、京王井の頭線渋谷駅の南側の道に入る。左手に何軒もある
居酒屋「山家」、
やきとり「鳥竹本店」などの歴史ある飲み屋さんを眺めながらすすみ、右手に京王井の頭線渋谷駅西口改札が見える場所に出た。。
ここで左に曲がると、すぐ左手の
「魚がし福ちゃん」と
「第三福ちゃん」の入っていた雑居ビルは、驚いたことに更地になっていた。
さらに進み、次の十字路を左に曲がる。この十字路の左角は
居酒屋「千両」さんがある。
いろいろと迷ったけれど、結局入ったのは、その並びにある黄色い看板がよく目立つ
居酒屋「やまがた本店」さんであった。
「山形清酒天誉酒蔵やまがた」と書かれた黄色看板とアサヒビールの丸い提灯の下を通って、ガラス戸をあけて中に入る。
入ってすぐ左手に四人席テーブルが二つ。その先には、20席ほどの小上がり座敷がある。その先は左手に5人ほどの短いカウンター席があり、カウンターの中が調理場である。
右手には勘定場があり、その先は六人席テーブルが三つ、四人席テーブルがふたつと奥まで続いている。
席はかなり埋まっていた。その中で、一番奥のカウンター席には男性1人客が2人。右手奥のテーブル席は空いていた。出来るだけ静かな場所を好む我々は、この一番奥の右手のテーブル席に座った。
調理場には男性2人、フロアーには女性が一人だけであった。
さっそく
熱燗二合(500円)とお猪口2つを頼んだ。
御通しは
切り干し大根である。
熱燗を一口飲んで身体を温めてから
玉こんにゃく(420円)をお願いする。
山形料理である。昔、山形の
山寺の下で
玉こんにゃくを食べたことを思い出す。醤油味がよく染みていてお酒に合う。
2品目は、
ふきのとうの天ぷら(420円)。苦みを楽しむ、まさに大人のつまみである。
「ここにいると渋谷にいると思えない、いいね」と
SAKURAが言う。
まさに、その通りである。
1974年公開の監督野村芳太郎/脚本橋本忍・山田洋次の
映画『砂の器』の中で、丹波哲郎と森田健作が演ずる刑事たちが「事件」のことを話しながら酒を呑んでいた場所もこのあたりであった。
ある時は会社の上司や先輩に連れて来られ、ある時は学生時代の友人と連れだって、とことん飲んだ酒場である。まさに、
昭和時代の酒場だ。
そして、
樽酒一升(3,500円)、
白酒一升(3,500円)という一升瓶の酒もメニューにある。ここは、一升瓶が似合う酒場でもある。
身体も暖まり、ビールを飲みたくなった。
瓶ビール大瓶(525円)を頼む。
やがて、いわゆる
「ガテン系」の方が先客の二人の男性の間のカウンター席へ座られた。
「雰囲気があるなあ」と思う。そして、並ぶ男性三人の背中に「人生」を感じる。
麦焼酎お湯割(368円)を最後に1杯だけもらい二人で分けて飲む。
御勘定をしてもらった。2,570円であった。
外に出る。今日は
目黒、
恵比寿、
渋谷と「街」を歩いた。街はどんどん変わってゆく。様々なものが壊されてゆく。
せめて、少しだけ残された
「昭和」を完全には奪わないでもらいたいと思う。
渋谷 居酒屋「やまがた 本店」住所 東京都渋谷区道玄坂1-6-5
電話 050-5816-3883
定休 年末年始休
営業時間 15:00~24:00
交通 JR渋谷駅西口から徒歩3分
ホッピー原理主義者とは?ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。
ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」は
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