長原 串焼酒場「環七酒場」第2回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第571回 2014年10月11日(土) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
長原 串焼居酒屋「環七酒場」 第2回
~ 50年間の重み ~

←クリックお願いします。
↓電子書籍の作成と販売が出来るサイト
←新岳大典作小説無料公開中。「新岳大典」で検索してください。
東急池上線と東急大井町線が交差する旗の台駅を頂点として、旗の台駅より五〇〇メートル東南東にある大井町線荏原町駅、旗の台駅より六〇〇メートルほど南西にある池上線長原駅、この三箇所を結ぶ細長い三角地帯は、散歩がてら最も多く出没する地域であった。
旗の台や荏原町の商店街を歩いた後、帰りは長原駅辺りまでまっすぐ住宅街の道を歩いて帰るのだ。その途中、環七通りの長原駅入口という信号を渡る。その信号に立ち、斜め左を見ると、マンションの一階に歴史ある酒場が存在するのだ。店名は、串焼居酒屋 「環七酒場」である。

手前のコンビニエンスストアや店の左手のステーキハウス、右手のチェーンの牛丼店などの派手な看板照明と比べて地味ではあるけれど、実は2014年1月20日放送の「吉田類の酒場放浪記」でも紹介されたお店なのである。
土曜日の午後六時である。環状7号線に面した入口から入ると、左手にカウンター席八席、カウンターの中は調理場、奥にテーブル席が一つある。カウンターの奥の御常連三名。カウンターの中に、坊主頭の大将が立っておられる。隣に立つ女性の方が私に気づいてくれた。
「いらっしゃいませ」
いつものように店内を見回して、飲物のメニューを探す。あまり待たせても悪いので、いつもの一言である。
「レモンサワーください」
レモンサワー(四〇〇円)とお通し(二〇〇円)が出てきた。お通しはゆで卵入りの野菜サラダである。
前回、こちらのお店を紹介したのは、2008年6月11日に訪問した第105回であるから六年以上前になる。全570回のうちの第105回であるからごく初期といえる。
しかし、店内は特に何も変わっていない。大将も御元気で、常連の方達との会話もはずんでいた。
するめイカ刺身(五〇〇円)が気になったので、大将がこちらを見た時、頼んでみた。
「あの、墨イカ刺しお願いします・・・」
「するめイカでいいですか?」
「はい、そうです、頭の中ではするめイカって解っていたのに、口から墨イカって言葉が出てしまいました・・・」
いつものの言い間違いである。
するめイカ刺しが出てくる。
「お醤油解ります?」と女性の方。カウンターの上に、ヤマサ醤油の「鮮度の一滴」の五〇〇ミリリットル入りが何本も置いてあった。ちょっと驚きである。
御常連の方々の前にボトルが置いてある。ボトルは眞露(二〇〇〇円)や黒霧島(二五〇〇円)である。
さらに、御常連来訪。
やきとりを頼むことにした。もも肉(一〇〇円)を二本と、手羽先(一五〇円)を一本、さらに、芳泉一合燗酒(三五〇円)も頼んだ。
また、御常連がいらっしゃる。カウンター席は私を入れて六名。長年通っている方々ばかりの様子。
「来年五十周年だって?」の言葉が聞こえる。
「五十年かあ・・・すごいなぁ」と心の中で一言。
「初めてですか?」と女性の方に聞かれる。
「いいえ、何年か前に何回か来て、だいぶ経ってしまったんですが・・・」と私。
八海山(六五〇円)を最後にいただく。
常連の方々は懐かしい映画の話をされている。原千佐子、小林稔侍・・・映画俳優の方々の名前を思い出す。
盛り上がる。そして、思い出せない。夜中に急に思い出す。
なんでもスマートホンで検索してしまう世代とは違い、ここには思い出す楽しみがある。
壁のキリンラガーの菅原文太さんのポスターがいつもより素敵に見える。
「外にアベックがいるよ・・・」と常連の方。
「アベックは古いよ・・・カップルだろ」とおっしゃる方。
「入ってきそうだね・・・」と笑顔。なにやら皆さん楽しそうである。
常連の方だと思っていたサスペンダーをした方が営業モード。
「よろしかったらどうぞ」と、外に出て声をかけていらっしゃる。
カップルが入ってこられた。
「外に準備中と出ています」と教えてくださる。
「あら、忘れてました・・・」と、また盛り上がる。
サスペンダーの方は、本当はお店の方なのだろうか。
御常連が席を移動して若いカップルに譲り、席は満席となった。
皆さんの楽しそうな会話を聞かせてもらい一人楽しむ。
さぁ、帰ろう。
「ありがとうございます」という言葉でおくりだされる。
居酒屋のシーンが多く、味わいある内容であった映画「駅」の中で、主演の高倉健さんは美しく「ありがとう」と言う。そのことを思い出した。
ここには、五十年の重みがある。
午後六時から七時まで一時間ほどの滞在。お勘定は二四五〇円であった。

長原 串焼居酒屋「環七酒場」
住所 東京都大田区上池台1-44-1 ライオンズマンション上池台104
電話 03-3729-5170
交通 東急池上線長原駅下車徒歩3分
定休日 木曜日
営業時間 17:00~24:00
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE
居酒屋探偵DAITENの生活 第571回 2014年10月11日(土) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
長原 串焼居酒屋「環七酒場」 第2回
~ 50年間の重み ~




↓電子書籍の作成と販売が出来るサイト

東急池上線と東急大井町線が交差する旗の台駅を頂点として、旗の台駅より五〇〇メートル東南東にある大井町線荏原町駅、旗の台駅より六〇〇メートルほど南西にある池上線長原駅、この三箇所を結ぶ細長い三角地帯は、散歩がてら最も多く出没する地域であった。
旗の台や荏原町の商店街を歩いた後、帰りは長原駅辺りまでまっすぐ住宅街の道を歩いて帰るのだ。その途中、環七通りの長原駅入口という信号を渡る。その信号に立ち、斜め左を見ると、マンションの一階に歴史ある酒場が存在するのだ。店名は、串焼居酒屋 「環七酒場」である。

手前のコンビニエンスストアや店の左手のステーキハウス、右手のチェーンの牛丼店などの派手な看板照明と比べて地味ではあるけれど、実は2014年1月20日放送の「吉田類の酒場放浪記」でも紹介されたお店なのである。
土曜日の午後六時である。環状7号線に面した入口から入ると、左手にカウンター席八席、カウンターの中は調理場、奥にテーブル席が一つある。カウンターの奥の御常連三名。カウンターの中に、坊主頭の大将が立っておられる。隣に立つ女性の方が私に気づいてくれた。
「いらっしゃいませ」
いつものように店内を見回して、飲物のメニューを探す。あまり待たせても悪いので、いつもの一言である。
「レモンサワーください」
レモンサワー(四〇〇円)とお通し(二〇〇円)が出てきた。お通しはゆで卵入りの野菜サラダである。
前回、こちらのお店を紹介したのは、2008年6月11日に訪問した第105回であるから六年以上前になる。全570回のうちの第105回であるからごく初期といえる。
しかし、店内は特に何も変わっていない。大将も御元気で、常連の方達との会話もはずんでいた。
するめイカ刺身(五〇〇円)が気になったので、大将がこちらを見た時、頼んでみた。
「あの、墨イカ刺しお願いします・・・」
「するめイカでいいですか?」
「はい、そうです、頭の中ではするめイカって解っていたのに、口から墨イカって言葉が出てしまいました・・・」
いつものの言い間違いである。
するめイカ刺しが出てくる。
「お醤油解ります?」と女性の方。カウンターの上に、ヤマサ醤油の「鮮度の一滴」の五〇〇ミリリットル入りが何本も置いてあった。ちょっと驚きである。
御常連の方々の前にボトルが置いてある。ボトルは眞露(二〇〇〇円)や黒霧島(二五〇〇円)である。
さらに、御常連来訪。
やきとりを頼むことにした。もも肉(一〇〇円)を二本と、手羽先(一五〇円)を一本、さらに、芳泉一合燗酒(三五〇円)も頼んだ。
また、御常連がいらっしゃる。カウンター席は私を入れて六名。長年通っている方々ばかりの様子。
「来年五十周年だって?」の言葉が聞こえる。
「五十年かあ・・・すごいなぁ」と心の中で一言。
「初めてですか?」と女性の方に聞かれる。
「いいえ、何年か前に何回か来て、だいぶ経ってしまったんですが・・・」と私。
八海山(六五〇円)を最後にいただく。
常連の方々は懐かしい映画の話をされている。原千佐子、小林稔侍・・・映画俳優の方々の名前を思い出す。
盛り上がる。そして、思い出せない。夜中に急に思い出す。
なんでもスマートホンで検索してしまう世代とは違い、ここには思い出す楽しみがある。
壁のキリンラガーの菅原文太さんのポスターがいつもより素敵に見える。
「外にアベックがいるよ・・・」と常連の方。
「アベックは古いよ・・・カップルだろ」とおっしゃる方。
「入ってきそうだね・・・」と笑顔。なにやら皆さん楽しそうである。
常連の方だと思っていたサスペンダーをした方が営業モード。
「よろしかったらどうぞ」と、外に出て声をかけていらっしゃる。
カップルが入ってこられた。
「外に準備中と出ています」と教えてくださる。
「あら、忘れてました・・・」と、また盛り上がる。
サスペンダーの方は、本当はお店の方なのだろうか。
御常連が席を移動して若いカップルに譲り、席は満席となった。
皆さんの楽しそうな会話を聞かせてもらい一人楽しむ。
さぁ、帰ろう。
「ありがとうございます」という言葉でおくりだされる。
居酒屋のシーンが多く、味わいある内容であった映画「駅」の中で、主演の高倉健さんは美しく「ありがとう」と言う。そのことを思い出した。
ここには、五十年の重みがある。
午後六時から七時まで一時間ほどの滞在。お勘定は二四五〇円であった。

長原 串焼居酒屋「環七酒場」
住所 東京都大田区上池台1-44-1 ライオンズマンション上池台104
電話 03-3729-5170
交通 東急池上線長原駅下車徒歩3分
定休日 木曜日
営業時間 17:00~24:00
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE