新橋 立ち飲み「ぼんそわ」第2回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第575回 2014年11月11日(火) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
新橋 立ち飲み「ぼんそわ」 第2回
~ 新橋というカオス ~

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新橋に来るのも久しぶりであった。
まずは、新橋駅東側駅前にあるニュー新橋ビルに入ってみる。
そこは、様々な商店が並ぶ独特の雰囲気の商店街になっているはずだった。
二階に上がってみると、原色の看板が並び、香水の匂いが漂うマッサージ店ばかりが並んでいる。店の中からこちらをうかがう女性たち。中には、つけまつげを直す仕草をしながら私の方を見もせずに「いらっしゃいませ~」という女性がいる。Tシャツとスポーツパンツで廊下をジョギングする女性に追い抜かれた。
床に線が引いてあるのは、はみ出して呼び込みしたり看板を設置するのを止めさせる為に引いてあるそうである。
二十数年前、仕事帰りの憩いを求めてこのビルにやってきた頃の面影は少ない。
このニュー新橋ビル周辺には、さらなる再開発の噂があるという。
地上に出てみた。蒸気機関車が展示してある駅前広場では、「新橋大古本まつり」が行われていた。(下写真)

ニュー新橋ビルの東側を歩き、宝くじ売り場の前を通って、烏森通りを渡ると、新橋西口通り共栄会という商店街へ入って行く。この一筋道の左右の路地を歩いてみた。
そこにあるお店のほとんどが立ち飲み店や居酒屋である。しかし、私がよく歩いた頃とはまったく違っていた。
何度も何度も同じ路地を巡り歩く。結局入りたいと思う店は無く、馴れたお店にたどり着いた。
立ち飲み「ぼんそわ」さんである。(下写真)

前回、立ち飲み「ぼんそわ」を紹介したのは、2010年9月10日(金)の第366回 である。
自然木を薄く切ったものに店名を彫った独特な看板が店前の真ん中に立ててある。ガラス越しに店内が見えた。店の中央に十名ほどが立てる立ちのみ用のコの字カウンターがある。コの字カウンターの中にママさん。奥の調理場に男性の方。
財布から千円札を一枚出して目の前に置く。その都度、品物と交換で払う方式。
まずは、ホッピー氷なし(四〇〇円)。
焼酎を凍らせたフローズン3冷のホッピーセットであった。千円札が持ってゆかれ、お釣りが置かれる。お通しのあぶらげ煮がサービスであることはお金を持ってゆかれないので解る。
ポテトサラダ(二五〇円)も頼んだ。
先客は常連の方。それぞれ待ち合わせのようである。
かなり歩き回って喉が渇いた為か、焼酎濃いめのホッピーをすぐに飲んでしまった。
二杯目はトマト割り(四〇〇円)である。一緒に古漬(二〇〇円)である。
「四人以上のお客様はお断り。個人同志で楽しむための場所なのでご了承ください。」と書いてあった。
実に正しい。
流れる音楽がローリング・ストーンズに変わった。曲名は「アンダーマイサム」。音楽は良い。
トマト割り(四〇〇円)は大きめのグラスに、氷と焼酎が目一杯入ったものに、トマトジュース缶詰めが付いてくる。トマト缶は空けてある。焼酎を飲まないと、トマトが入らないのだ。これは、こちらのお店の有名な一杯である。チーズ(一〇〇円)をトマト割りに合わせて頼む。
四年前に友人のOZAKI先生と一緒に来た時と同じようにホッピーとトマト割りを飲んでいることに気づいた。単価も変わらない。
柱にマンドリンが掛けられている。少し進めてある柱時計も酒場らしい。
一時間ほどの滞在で外に出る。支払ったのは一三五〇円であった。
周囲は変わってしまったけれど、立ち飲み「ぼんそわ」さんは変わっていなかった。
変わったといえば、「ぼんそわ」さんが面する道から一本南側に幅の広い道が出来上がっていた。
東京都市計画道路幹線街路環状第2号線という正式名よりも環二通りの方が呼びやすい。この環二通りのうち、2014年(平成26年)3月29日に開通した虎ノ門から新橋に至る全長1.4キロメートルの区間は、戦後約六〇年間、着工が凍結されていた。この区間は、〈アメリカ大使館から竹芝桟橋まで一期に行ける道として計画され、実現が遅れていたマッカーサー道路である〉と言われてきたけれど、実は都市伝説であり、実際にはそのような計画はなかったようである。
二〇二〇年の東京オリンピックでは、選手村と各競技場を繋ぐ大動脈となるそうである。
その、東京オリンピックに備え、パリの「シャンゼリゼ通り」を模して、オープンカフェが建ち並ぶような街並みに演出したいという東京都の御意向もあるようだが、すぐ近くに今日巡ってきたような雑多な酒場街があることの方が外国人には受けるような気がする。
疑似シャンゼリゼ通りがあり、酒場街があり、マッサージ店がひしめく、「新橋」はやはりカオス(混沌)である。

新橋 立ち飲み「ぼんそわ」
住所 東京都港区新橋4-15-5
電話 ?
定休日 土曜・日曜・祝日
営業時間 17:45~23:30
交通 JR新橋駅下車徒歩3分
公式サイト http://www.bonsoir.jp/
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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居酒屋探偵DAITENの生活 第575回 2014年11月11日(火) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
新橋 立ち飲み「ぼんそわ」 第2回
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新橋に来るのも久しぶりであった。
まずは、新橋駅東側駅前にあるニュー新橋ビルに入ってみる。
そこは、様々な商店が並ぶ独特の雰囲気の商店街になっているはずだった。
二階に上がってみると、原色の看板が並び、香水の匂いが漂うマッサージ店ばかりが並んでいる。店の中からこちらをうかがう女性たち。中には、つけまつげを直す仕草をしながら私の方を見もせずに「いらっしゃいませ~」という女性がいる。Tシャツとスポーツパンツで廊下をジョギングする女性に追い抜かれた。
床に線が引いてあるのは、はみ出して呼び込みしたり看板を設置するのを止めさせる為に引いてあるそうである。
二十数年前、仕事帰りの憩いを求めてこのビルにやってきた頃の面影は少ない。
このニュー新橋ビル周辺には、さらなる再開発の噂があるという。
地上に出てみた。蒸気機関車が展示してある駅前広場では、「新橋大古本まつり」が行われていた。(下写真)

ニュー新橋ビルの東側を歩き、宝くじ売り場の前を通って、烏森通りを渡ると、新橋西口通り共栄会という商店街へ入って行く。この一筋道の左右の路地を歩いてみた。
そこにあるお店のほとんどが立ち飲み店や居酒屋である。しかし、私がよく歩いた頃とはまったく違っていた。
何度も何度も同じ路地を巡り歩く。結局入りたいと思う店は無く、馴れたお店にたどり着いた。
立ち飲み「ぼんそわ」さんである。(下写真)

前回、立ち飲み「ぼんそわ」を紹介したのは、2010年9月10日(金)の第366回 である。
自然木を薄く切ったものに店名を彫った独特な看板が店前の真ん中に立ててある。ガラス越しに店内が見えた。店の中央に十名ほどが立てる立ちのみ用のコの字カウンターがある。コの字カウンターの中にママさん。奥の調理場に男性の方。
財布から千円札を一枚出して目の前に置く。その都度、品物と交換で払う方式。
まずは、ホッピー氷なし(四〇〇円)。
焼酎を凍らせたフローズン3冷のホッピーセットであった。千円札が持ってゆかれ、お釣りが置かれる。お通しのあぶらげ煮がサービスであることはお金を持ってゆかれないので解る。
ポテトサラダ(二五〇円)も頼んだ。
先客は常連の方。それぞれ待ち合わせのようである。
かなり歩き回って喉が渇いた為か、焼酎濃いめのホッピーをすぐに飲んでしまった。
二杯目はトマト割り(四〇〇円)である。一緒に古漬(二〇〇円)である。
「四人以上のお客様はお断り。個人同志で楽しむための場所なのでご了承ください。」と書いてあった。
実に正しい。
流れる音楽がローリング・ストーンズに変わった。曲名は「アンダーマイサム」。音楽は良い。
トマト割り(四〇〇円)は大きめのグラスに、氷と焼酎が目一杯入ったものに、トマトジュース缶詰めが付いてくる。トマト缶は空けてある。焼酎を飲まないと、トマトが入らないのだ。これは、こちらのお店の有名な一杯である。チーズ(一〇〇円)をトマト割りに合わせて頼む。
四年前に友人のOZAKI先生と一緒に来た時と同じようにホッピーとトマト割りを飲んでいることに気づいた。単価も変わらない。
柱にマンドリンが掛けられている。少し進めてある柱時計も酒場らしい。
一時間ほどの滞在で外に出る。支払ったのは一三五〇円であった。
周囲は変わってしまったけれど、立ち飲み「ぼんそわ」さんは変わっていなかった。
変わったといえば、「ぼんそわ」さんが面する道から一本南側に幅の広い道が出来上がっていた。
東京都市計画道路幹線街路環状第2号線という正式名よりも環二通りの方が呼びやすい。この環二通りのうち、2014年(平成26年)3月29日に開通した虎ノ門から新橋に至る全長1.4キロメートルの区間は、戦後約六〇年間、着工が凍結されていた。この区間は、〈アメリカ大使館から竹芝桟橋まで一期に行ける道として計画され、実現が遅れていたマッカーサー道路である〉と言われてきたけれど、実は都市伝説であり、実際にはそのような計画はなかったようである。
二〇二〇年の東京オリンピックでは、選手村と各競技場を繋ぐ大動脈となるそうである。
その、東京オリンピックに備え、パリの「シャンゼリゼ通り」を模して、オープンカフェが建ち並ぶような街並みに演出したいという東京都の御意向もあるようだが、すぐ近くに今日巡ってきたような雑多な酒場街があることの方が外国人には受けるような気がする。
疑似シャンゼリゼ通りがあり、酒場街があり、マッサージ店がひしめく、「新橋」はやはりカオス(混沌)である。

新橋 立ち飲み「ぼんそわ」
住所 東京都港区新橋4-15-5
電話 ?
定休日 土曜・日曜・祝日
営業時間 17:45~23:30
交通 JR新橋駅下車徒歩3分
公式サイト http://www.bonsoir.jp/
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Re: お久しぶりです